≪TX開業3年・見えてきた課題:日本経済新聞抜粋≫
流山セントラルパーク駅東口の巨大な空き地。所有者の流山市は公共施設と商業施設の複合施設を誘致しようと募集しているが応募はない。隣駅の流山おおたかの森駅、さらに隣の柏の葉キャンパス駅の駅前に巨大なSCが進出し、乱立気味の余波によるもの。
SC乱立は茨城県の守谷駅周辺でも同様で、業態の転換など生き残りに必至。都心への利便性が逆にあだともなり、ちょっとした買い物は都心へ向かってしまう。地元での買い物は日常生活のスーパーのみということも。
逆に金融機関は沿線での営業活動を活発化させている。特に千葉銀行は茨城県まで進出し、陣取り合戦が激しくなっている。
三菱地所では需要は底堅いと静観しているが、付加価値を付けているとはいえ高価格がネックとなり、マンションの販売状況はおもわしくない。賃貸も含め地域全体に供給過剰感(マンション)が出ている。特に茨城県では契約している方の半数が県内からであり、首都圏広域からの集客はできていない。これは守谷以北は本数が少なく終電も早いことが原因。
その一方、千葉県内では二極化の様相で、流山おおたかの森駅と柏の葉キャンパス駅は交通利便性と周辺環境などから好調に推移し、県外から移り住んできた人も多い。しかし、売りになる魅力に乏しい柏なたか駅や流山セントラルパーク駅では苦戦を強いられている。住民が増えないことと生活施設の遅れが悪循環となっており、これからどのような手を打てるか見守る必要がある。
開発が進み沿線人口が増えたが、受け入れる学校や幼稚園・保育園の整備は遅れており、茨城県では一番近くの学校でも直線距離で約2.5kmという地域さえあり、登下校時の安全面に不安をのぞかせる。さらに、教室不足などの懸念も出ており、自治体の対応が待たれるが、財政面での問題もあり、自治体により差が出ている。
TX沿線はコンビニエンスストアが駅前に少ないのも特徴となっている。もともと、同線が開通する前や少し離れた場所では自動車での生活習慣が根付いており、駅前立地での集客効果にどれだけのものがあるのか、各社も慎重に見極めている。
最後に総括として、TX沿線は最後のベットタウンといわれ、まだまだ開発の余地が大きく残されており、企業や自治体がいち早く生活環境を整えられるかが、潜在的な成長力を残している同地域発展のポイントになると同紙は締めくくっている。
沿線を開発するURや企業や周辺自治体は、同沿線の今後を広報するにあたり、現状よりも輝かしい未来を語りがちになるのは自然なことである。それを間に受けず、一歩下がったところから冷静客観的に見ること。根拠なく、ただ新しいからと飛びつくのではなく、他沿線と冷静に比較してみること。裏に道あり花の山という言葉を噛みしめてみることが大事である。
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